どんな痛みや病気も薄ら呆けまで根本解決出来る
黒岩さんは、整体の先生やお医者さんから体を冷やさないように、体を温めなさいと言われるとおっしゃっていました。体温を一度上げると万病から解放されると有名なお医者様が言っています。
私自身の経験でも、確かに体が冷えると神経痛が出て、足が痺れたり、腰痛が出たりしたこともありました。冷えが体に悪いことは、お医者様でなくても広く知られていることです。そして、寒い冬に体を温めるために、厚い靴下を履いたり、襟巻をしたり、カイロを張ったり、ショウガ湯を飲んだりすることで一時的には、痛みがゆるんだり、痺れから解放されることもあるでしょう。
しかし、痛みや痺れ、その他慢性病は暑い夏にもやってきます。暑い夏でも、手足の冷えを訴える人も多いです。私の経験では、夏にショウガやニンニクをふんだんに使ったカレーを食べても、一時的には良くなった気がしますが、根本的に『体が変わった』という実感もなく、夏でも何かの拍子で神経痛が再開して、マウスが持てないほど腕が痛くなったり、肩から背中にかけて激痛が走り、寝ることもできない状況が続いたりしたこともありました。その時、必ずと言っていいほどお医者さんは、「お腹出して寝て、体を冷やしたんでしょう」と言います。茹だるような暑さの中では、お腹を出して寝るのが普通ではないでしょうか?犬でもそうして寝ています。そんな言葉を吐くお医者さんは、ただ注射をして、痛み止めを処方してくれるだけです。今の医学では、対処療法が基本で、最終的には本人の治癒力で直すしかないのですから、仕方のないことだとも思います。
ただ言えることは、根本の原因は、体そのものが温まらなくなったことであり、根本的な解決方法は、自然と体が温まる体にすることだと思います。
簡単にかきましたが、その結論にいたるまでは、何十件もの病院に通い、整体やマッサージにお金をかけ、毎月大量のサプリメントを購入して飲んでも、結果的には一時しのぎでしかなかったことや体を鍛えれば何とかなるだろうと、ヨガ、マラソン、筋トレなどに精を出しては体を痛めてまた元の黙阿弥となった経験から述べているものです。
冷えといえば、子供のころはそんなもの感じたこともなかったので、大人が冷えで神経痛になって苦しんでいる姿を見ても、「何を痛がっているのだろうか」としか思えませんでした。子供のころは“冷たさ”は感じても“冷え”は経験的に分からなかったのです。
私も黒岩さんも、群馬の山の方で生まれました。多分黒岩さんも小学生のころ、冬になり雪が降った後、友達と外に出て、素手で雪玉を握って雪合戦をしたり、雪だるまを作ったりしたことがあると思います。私には、毛糸の手袋ではうまく雪玉が握れなかったり、毛糸が玉になり、濡れると手袋が使い物になるのでわざと素手で雪をいじった思い出があります。
雪の中に素手を突っ込んだ瞬間は、「わっ、つめたくて痛てぇ!」と感じたはずです。でもその痛さを我慢して、一度手をさすったり、手に息を吹きかけて温めると、だんだんと手が赤くなってきて、今度はじんじんと暖かくなり、握った雪をも少し溶かすような暖かさを感じました。
今大人になって降り積もった雪に手を突っ込んで、雪玉を作り、雪合戦をしたり、雪だるまを作る機会もありませんが、もし雪があったとしてもそんな勇気はありません。「体を冷やさないように」という言葉さえ頭の中を過ぎり、神経痛の再発に怯えて、体に悪い馬鹿なことだとしか思いません。ここで一つの疑問が湧いてきます。
子供のころのように、今雪の中に手を突っ込んで、雪の冷たさでかじかんでしまった手に息を吹きかけるだけで、手が真っ赤になり暖かくなるのだろうか?
黒岩さんに紹介した【呼吸法、冷水浴、マインドセット】を柱とするヴィム・ホフメソッドは、海外ではかなりポピュラーで、ジョコビッチやマドンナなど有名なセレブ達もしているお金の掛からない科学的に検証された強力な健康法です。
今やyoutubeで450万人のフォロアーがいる有名なスタンフォードの脳科学者Andrew Hubermanも、「痛いほどの冷たい水風呂に入ると、一瞬で体の中にアドレナリンが急増し、通常の2.5倍のドーパミンあふれ、そのレベルが数時間維持でき、免疫機能を高めるだけでなく、メンタル面でも人を強くする」と高らかに述べています。
私自身も早速氷を買ってきて、水風呂に浮かべて、勇気を持って飛び込みました。6℃になった水は、冷たいというよりは痛いという感じで、入った瞬間「死んじゃう」という危険信号が体から出ている、このままでは危ないと思った程です。しばらくすると落ち着いてきて、今度はこころの静けさを少し感じるようになりました。体は寒い冬の夜に昼間作った火のないかまくらに入った感じでした。頭の中は、これが凍死していく人の心理状態かと思うほど、何かキラキラしています。ドーパミンのせいでしょうか。でも3分ほどで限界がきました。氷風呂から上がると、体が真っ赤になり、さらに気持ちは「さわやかさと、やる気」がでて、そのまま体を拭いて、半袖に短パンで散歩に出かけました。まだ午前6時です。
私の目に留まる真冬の木々の枝でさえキラキラ見えてきました。そして普段だと散歩ですれ違う人に挨拶もしない自分が、だれ彼と構わず「おはようございます」とにこやかに笑顔を振りまいている人に変わってしまっていました。杖をついて歩く人に話しかけては、その人の脳梗塞のリハビリの話を真剣に聞き、「がんばって」と励ましたりもしています。本に書いてある冷水浴のメンタル面の力はやはりすごいんだと初日から感じたほどです。
ただ、後で問題が発生しました。1時間ほど散歩をして帰ってきて、暖かい部屋で仕事を始めると、さっきまで寒さなど感じなかった体が、ガクガクと大きく震えだしたのです。本には書いてなかったのですが、後で調べるとこれが、【After Drop】という現象だと初めてしりました。雪山の遭難者を急激に温めると、体の末端の冷たい血流が一度に深部に流れ、命の危険にさらされるという状態です。私の体は、体の表面を冷やすことで深部を温めようとしていたので、震えもなく冷たさも感じず散歩を楽しむことが出来たのが、暖かい部屋に入ったとたんに逆流して、返ってぶるぶるガタガタと今までに味わったことのないような震えが襲ってきました。